仮想通貨の税金が20パーセントになるのはいつからか解説する2026年暗号資産税制改正ガイド

仮想通貨 税金 20パーセント いつから ?2026年暗号資産税制の大改正

🚨 重要なポイント:2026年に金融庁が金融商品取引法の改正法案を国会に提出する予定で、暗号資産が金融商品として法的に位置づけられ、最大55%の総合課税から20%程度の分離課税への移行が検討されています。

法改正の全体像

ついに日本の暗号資産(仮想通貨)制度に大きな変革が訪れます。金融庁が2026年にも金融商品取引法の改正案を国会に提出し、暗号資産を金融商品として法的に位置づける方針であることが明らかになりました。この改正により、現在の支払い手段から投資商品へと位置づけが大きく転換されます。

現在の制度
法的根拠:資金決済法
位置づけ:支払い手段
税制:総合課税(最大55%)
2026年以降の制度
法的根拠:金融商品取引法
位置づけ:金融商品
税制:申告分離課税(20.315%)
制度改正のタイムライン
  • 2024年12月
    与党税制改正大綱で「暗号資産を国民の資産形成に資する金融商品として位置づけ、その見直しを検討する」と明記
  • 2025年6月
    金融庁による制度見直し案を公表予定
  • 2025年秋
    金融審議会で法案要綱を確定
  • 2026年
    金融商品取引法改正案を国会に提出、税制改正と同時施行を目指す

法律改正のメカニズム

今回の法改正では、暗号資産の法的な位置づけが根本的に変わります。現在暗号資産は資金決済法のもと決済手段に位置付けられていますが、主に投資対象として取引されていることから、金融商品として金商法の対象にする方針です。

インサイダー取引規制の導入
  • 未公表の内部情報をもとに売買することを禁じるインサイダー取引規制を新たに設ける
  • 発行体や交換業者の新規事業などの情報を入手した関係者による公表前取引が規制対象
  • 虚偽の情報で価格を操作する行為も規制対象に
開示義務の強化
  • 現在は交換業者に国への情報提供義務があるが、改正後は発行体にも情報開示義務が発生
  • IEOなどの暗号資産発行体には開示義務を負うことになる
  • 発行体は国が求める一定の基準を満たす体制整備が必要
有価証券との違い

株式や債券などは金商法上、有価証券と定義しているが、暗号資産は有価証券とは別の金融商品として扱われます。これは暗号資産の特殊性を考慮した新しいアセットクラスの創設を意味します。

税制改正の詳細

投資家が最も注目する税制面では、劇的な変化が期待されています。現在の総合課税から申告分離課税への移行により、税負担が大幅に軽減される見込みです。

現在の総合課税
対象:雑所得
税率:15%〜55%(累進課税)
特徴:他の所得と合算して計算
損失繰越:不可
改正後の分離課税
対象:金融商品
税率:一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
特徴:他の所得と分離して計算
損失繰越:3年間の繰越控除が可能
税制改正による投資環境の変化
  • 計算
    いつ売っても20.315%で税金が一律になり、計算が分かりやすくなる
  • 売却
    税金が高いから売れないという状況がなくなり、投資戦略が立てやすくなる
  • 申告
    確定申告は引き続き必要だが、専門サービスも充実している

⚠️ 注意点:申告分離課税になっても確定申告は必要です。申告不要制度ではないため、扶養や国民健康保険への影響も継続します。

中間所得層への恩恵

年収300-700万円の層が暗号資産投資家の50.7%を占めており、現在の所得税と住民税を合わせると20%を超えるため、分離課税により一律20%になれば中間所得層に恩恵があるとされています。

今後の注目点

税制改正の詳細はまだ検討中で、いくつかの重要な論点があります。これらの点が最終的にどのように決定されるかが、投資家にとって大きな影響を与えることになります。

損失繰越制度
  • 株式や国内FXでは赤字が出たら3年間繰り越せる制度がある
  • 暗号資産でもこの制度が認められるかどうかが焦点
  • 投資戦略の柔軟性向上に直結する重要な制度
暗号資産同士の交換
  • 現在はビットコインからイーサリアムへの交換時に課税
  • この交換時課税がどうなるかは未定
  • Web3やDeFi分野での競争力向上に関わる重要な論点
対象範囲の設定
  • 与党の税制改正大綱では「一定の暗号資産」と記載されており、銘柄範囲の設定が論点
  • ビットコインやイーサリアムなどの主要通貨が優先される見込み
  • ミームコインなどにもインサイダー規制が適用されるかは検討中
相続・贈与税制
  • 現在の法律では相続や贈与で非常に高い税金がかかる
  • 金商法改正と共に改正があるかが注目点
  • 長期保有戦略への影響が大きい分野
実現可能性と今後のスケジュール

順調に進めば2025年末の税制改正大綱に盛り込まれ、2026年度から仮想通貨に一律20.315%の申告分離課税が実現する可能性が高いとされています。ただし、当初は「一定の暗号資産」に限定される見通しで、ビットコインやイーサリアムなどの主要通貨が優先されると予想されています。

🎯 投資家への影響:これは単なる税率の引き下げではなく、日本の投資環境を根本から変える可能性を秘めた改正案です。20%分離課税の実現により、これまで税金の高さから取引を避けていた新規投資家の参入促進と、Web3分野の活性化が期待されています。

まとめ

2026年の暗号資産制度改正は、日本のデジタル資産投資環境に革命的な変化をもたらす可能性があります。最大55%から20%台への税率変更は、投資家にとって大きなメリットとなり、日本の暗号資産市場の国際競争力向上に寄与することが期待されます。ただし、詳細な制度設計は今後の議論次第であり、引き続き動向を注視する必要があります。

※ こちらの記事は 2025 年 8 月時点での内容となります。詳細あるいは現状の税制について知りたい方は国税庁のサイトからご確認ください。